メダカとカダヤシ |
(↓ この魚は糸島産のミナミメダカ)
カダヤシは、水が濁っていても、塩分の多い埋め立て地の細い流れや、下水などの悪環境のもとでも生きていくことができます。また、食性は食べられるものなら何でも食べ、場合によっては有機物を含むヘドロまで食べるといいます。汚水浄化までやってくれる魚がカダヤシだったわけです。殺虫剤による汚染を嫌った人たちはカダヤシを大歓迎しました。以来、カダヤシは「生きた殺虫剤」として日本各地に人為的に積極的に放流されることになったのです。ところが、1970年代になると、カダヤシの運命に異変が起きます。日本人の郷愁を誘うメダカが、激減しつつあるということが次第に分かってきたからです。「犯人はカダヤシである。メダカの餌を横取りし、時には攻撃さえ仕掛ける。けしからん!」というのが彼らの罪状でした。ここで、高度成長期のヒーローは、無惨にも「害魚」の烙印を押されることになってしまいました。メダカとカダヤシは同じメダカ目ですが、生き物としての大きな違いは、メダカが卵を産んで子供を孵す卵生であるのに対して、カダヤシは卵生ではなく稚魚を直接産む胎生の魚で、グッピーと同じく卵ではなく子供を生みます。これは現在の日本の環境では、繁殖の上でとても有利に働いています。
(↑ 昔ながらの三面ともコンクリートでない糸島某所のメダカが住む小川)
近頃の三面全てコンクリートで囲われた、流れが速い底が砂地でない水草が生える余地がない田んぼの用水路でも、カダヤシは、胎生のためドンドン増えることができますが、メダカは水草に卵を産みつけるので、産み付ける水草がないと卵を産むことができません。(ニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴのように交雑問題は卵生と胎生の違いからあまりおきてこないと思います)しかしはたしてカダヤシが増えたからメダカが減ったのでしょうか?私は違うと思います。メダカが減った大きな理由は、利便性を追求した河川工事に伴うメダカの生育環境の破壊だと思います。このまま三面全てコンクリートで囲われた水路がどんどん増え続ければ、メダカも絶滅してしまうかもしれませんね。次の世代にも天然のメダカを観察させてあげるように、環境を維持させて行きたい!その為には自分は何ができるのか?と真剣に考えて行かなければと思いました~!(カダヤシ(蚊絶やし・Mosquito Killer)から多くを引用させて頂きました)